新学期がはじまって一カ月ほど。子供さんはいかがお過ごしですか?
思い起こせば、中学生の娘がクラスになじめず辛い毎日を送っているとき、彼女を支えてくれたのは、友だちでも先生でもなく、「本」でした。
本は、子どもが自分の心と向き合い、そっと前を向くきっかけになります。
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【体験談】本が居場所になった娘の中学2年生の1年間
うちの娘は、どちらかというと大人しい性格。繊細で、HSPの気質もあると思います。
中学2年生の時のクラスがどうにも合わなくて、学校から帰ってくるとグッタリ。心の疲れが言葉に出るわけじゃないけれど、明らかに元気がなかったです。
その悩みを打ち明けられたとき、待ってました!とばかり一冊の本を渡しました。
(こんな時のために、あらかじめ良さげな本を集めていました!)
それが、重松清さんの『きみの友だち』です。
何の問題もない時は見向きもしなかったのに、娘はそれらの本を読み始めました。
でも、読み始めたころから、娘がなんかキリッとしてきて、たくましくなってきたんです。
わたしも『きみの友だち』は読了してたので、ピンときました。
主人公の「恵美ちゃんみたい」って思いました。恵美ちゃんのように、何にも流されず凛として自分を持ってるオーラを出してましたから(笑)
その後もお友達関係は変わらず、その年は彼女にとって読書の1年間でした。
ですが、「本があるから大丈夫」と乗り越えました。
現在大学生の娘曰く「たくさん本を読んだあの時期があって、本当に良かった」と。
では、その時期に娘と一緒に読んだ本の中から、特に印象的だった5冊をご紹介します。
娘が救われた本5選【母も読んでよかった】
1. 『きみの友だち』重松清 あらすじ
主人公・恵美は、ケガの後遺症で足が不自由になります。それと同時にいじめっこからいじめられっこになってしまうのです。それまで仲良かった友達も離れていき、恵美は独りぼっちに。独りぼっちになった恵美は、人を観察するようになります。それぞれが自分の役割を演じ、お互いにバランスを取りながらクラスに居場所を作っているのです。※この心理描写がリアルで胸がチクチクします。
“やさしい”と”ただの同情”の境界を見極めながら、自分のペースで友情を築いていく姿は、娘にとって自分を重ねられる存在だったようです。

娘が強くたくましくなったのにはビックリ!
本人も恵美のようになりたいと、意識してたんだって。
あとになって聞いた。
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2. 『ぼくのメジャースプーン』辻村深月
小学4年生の「ぼく」は、相手に“条件”を突きつけて行動を縛る特殊な能力を持っている。
ある日、学校でうさぎが惨殺され、心を閉ざした幼なじみのふみちゃんを救うため、忘れていた能力を再び使う決意をする。
大学生の犯人に立ち向かうため、母のおじで児童心理学者の助けを借りながら、能力の使い方を学んでいく。
「正しさ」とは何か、復讐は「正義」と呼べるのか——心を揺さぶる問いを胸に、「ぼく」の戦いが始まる。
子どもならではの純粋さと危うさが交錯する、ひりつくようなダークファンタジー。

娘の一番大好きな本で~す。
なかなか頭を使う一冊ですよ。
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3. 『カラフル』森絵都
「おめでとうございます! 抽選にあたりました! 」 生前の罪により輪廻のサイクルからはずされたぼくの魂が天使業界の抽選にあたり、 再挑戦のチャンスを得た。 自殺を図った中学三年生の少年、小林真の体にホームステイし、 自分の罪を思い出さなければならないのだ。 ガイド役の天使のプラプラによると、父親は利己的で母親は不倫しており、兄の満は無神経な意地悪男らしい。 学校に行ってみると友達がいなかったらしい真に話しかけてくるのは変なチビ女だけ。 絵を描くのが好きだった真は美術室に通いつめていた。 ぼくが真として過ごすうちに、しだいに家族やクラスメイトとの距離が変っていく。 モノクロームだった周囲のイメージが、様々な色で満ちてくるーー。 高校生が選んだ読みたい文庫ナンバー1。累計100万部突破の大人も泣ける不朽の名作青春小説。(Amazon紹介文より)

かなりメジャーな本ですが、やっぱり中高生のバイブルになる本。
一度は読んでおきたい一冊。
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4. 『西の魔女が死んだ』梨木香歩
学校に行けなくなった中学生のまいは、田舎に住む“西の魔女”こと祖母のもとでひと夏を過ごすことになります。自然に囲まれた静かな暮らしの中で、料理や掃除といった日々の営みを通じて、自分と向き合い、少しずつ心を回復させていきます。優しさと厳しさを併せ持つ祖母との対話が印象的な、心が静かにほどけていく物語です。

心がほっこり穏やかになれる本です。
強く何かを訴えるものではないけど、なぜか心にじわじわくるのです。
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5. 『かがみの弧城』辻村深月
いじめが原因で学校にもフリースクールにも行けなくなった中1のこころは、ある日、鏡に吸い込まれ、不思議な「孤城」へ。
そこには自分と似た境遇の7人の中学生たちがいて、みんなで「願いの鍵」を探すことに。
現実のしんどさを忘れるような、静かで優しい時間が流れるけれど、この城にはある残酷なルールが…。
過去と向き合い、人とつながることで、こころは「自分の願い」にたどりついていく。
何が正しいのか、誰が悪いのかじゃなく、「願うこと」「信じること」が正義かもしれない――そんな物語。

600ページもあって、読み応えあります。
読後の爽快感は、格別ですよ。
映画、漫画、小説と色んな媒体でこの作品に触れることができるけど、やっぱり小説が一番没入できるような気がするので、小説おすすめです!!
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あとがき:子どもの世界を、少しだけ一緒にのぞく
5冊どれもメジャーどころのベストセラーです。やっぱり売れているだけ、多くの人の心に刺さっているのでしょうね。大人への必読書と思って、必要な時期が来たら、勧めてあげられるといいですね。
大人の私たちも読むと、子供のころの心理を思い出して、ちょっと心がチクンと痛くなる場面が多々あります。そのチクンを今味わっている子供を少しは分かってあげられるかも。
それに、自分自身が中高生の時に、読めていたら、なにかもっとラクに過ごせたかもと思いました。
(わたしもHSPだった)
私の場合も「ママも読んだよ」とお互い感想を言い合って世界を共有できて、娘の気持ちに少しは寄り添えれたんではと思っています。
悩んでいるお子さんがいたら、ぜひそっと本を差し出してみてください。
その一冊が、子どもの世界を支える小さな灯りになるかもしれません。
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