公開後、2年が経っているこちらの作品ですが、当時SNSなどで話題だったそうで、ご存知の方も多いでしょうが、あらため紹介したいと思います!
『雨の日と月曜日』── コマkoma×きみねが贈る、切なくも温かな物語

SNSで話題になった『窓拭きお兄さん』のコマkomaが作画を担当し、”幻の名作”と称された未完のWEB小説を手掛けたきみねが原作を務める『雨の日と月曜日』。
2023年ごろに連載され、現在は完結。LINEマンガで読むことができます。
図書館で働く大人しい女性と、雨の日にだけ訪れる”ワケあり”の青年。
過去の傷を抱えながらも、互いに惹かれ合い、支え合っていく二人の物語です。
あらすじ
23歳の**福原珠恵(ふくはら たまえ)は、図書館に勤める控えめな性格の女性。恋愛経験もなく、淡々とした日常を送っていました。
そんな彼女のささやかな楽しみは、雨の日にだけ図書館を訪れる青年森川風太(もりかわ ふうた)**の存在。
彼は26歳にして高校受験を目指しており、過去に何か事情を抱えている様子でした。目標に向かって努力する風太を珠恵は心から応援し、次第に二人の間には特別な感情が芽生え始めます。
しかし、珠恵の父が持ち込んだ”お見合い”の話が、二人の関係を大きく揺るがします。
見合い相手は社会的に申し分のない人物でしたが、珠恵と風太の関係を疑い、**「処女確認」**という名目で珠恵に耐え難い辱めを与えました。
心に深い傷を負い、呆然と街を彷徨う珠恵。そんな彼女を見つけ、救ったのは──風太でした。
【注意事項に以下のことが書かれています】
(私はあまり気にしないのでスルーでしたが、一応記しておきます。)
時代背景
物語の舞台は現代ですが、登場人物の価値観にはどこか昭和的な古さが漂います。
特に、珠恵の父が象徴するような「世間体」や「家のための結婚」といった考え方は、現代社会にも根強く残るもの。
女性の意思が軽視されがちな環境の中で、珠恵がどのように自分の人生を選び取っていくのかが重要なテーマとなっています。
登場人物
- 福原珠恵(23歳)
大人しく控えめな女性司書。家族の期待に応えようとするあまり、自分の意思を押し殺してしまいがち。 - 森川風太(26歳)
雨の日にだけ図書館を訪れる謎めいた青年。高校受験を目指しており、過去に何らかの事情を抱えている。 - 珠恵の父
社会的な体裁を何よりも優先する厳格な父。娘を「優秀な男性」に嫁がせることが正しいと信じている。 - 門倉(お見合い相手)
エリート国家公務員。医師免許も保有。外面は良いが、内面は歪んだ人物。珠恵を支配しようとし、暴力的な行為に及ぶ。
見どころ
1. 福原珠恵──抑圧された人生と、揺れ動く心
福原珠恵は、図書館に勤める23歳の女性。控えめで大人しく、自分の意見を主張することが苦手です。
これは、幼少期から父の支配的な価値観の中で育てられたことが大きな原因となっています。
珠恵の父は、世間体を何よりも大切にし、「家族はこうあるべき」「娘はこう生きるべき」と決めつける人物。
母親もまた、父に従うことで家庭の安定を保とうとするため、珠恵には「逆らう」という選択肢がありませんでした。
そのため、珠恵は「自分の気持ちよりも、周囲の期待に応えること」を優先するようになっていきます。
恋愛経験がないのも、単に機会がなかったわけではなく、「誰かを好きになっても、許されない気がする」「自分にはそんな資格がない」と無意識に思い込んでいたからかもしれません。
そんな珠恵にとって、森川風太は特別な存在でした。
彼は、人生をやり直すために努力している。
何か過去に傷を抱えながらも、自分の意思で未来を選ぼうとしている。
「自分の人生を自分で決めてもいいのかもしれない」
彼の存在は、珠恵にそう思わせるきっかけを与えたのです。
しかし、そんな矢先に持ち上がったお見合い話。
父の決めた相手と結婚することは、珠恵にとって”逃れられない運命”のように思えました。
たとえ、どんなに心が悲鳴をあげていても──。
2. 森川風太──「やり直したい」と願う青年の過去
森川風太は、26歳にして高校受験を目指している青年。
彼は、生まれつき恵まれた環境ではありませんでした。
家庭環境は複雑で、幼い頃から親の愛情を受けることなく育ちます。
頼れる人もなく、社会の底辺で生きるしかなかった彼は、若い頃に間違った道を歩んでしまいました。
犯罪に手を染めたわけではありませんが、厳しい現実の中で、”普通の人生”とはかけ離れた世界に身を置いていたのです。
しかし、ある出来事をきっかけに「自分の人生をやり直したい」と思うようになり、高校受験を決意。
社会の偏見と戦いながらも、過去を清算し、新しい道を歩もうとしていました。
そんな風太にとって、珠恵は特別な存在でした。
彼女は決して、彼の過去を詮索せず、ただ”今の風太”を見てくれる。
そして、彼の努力を心から応援してくれる。
「俺も、彼女みたいに前を向けるだろうか」
珠恵と接するうちに、風太の中にも、少しずつ新しい感情が芽生えていきます。
しかし、彼が珠恵に寄せる想いがはっきりしたとき、彼女は父の決めた結婚に従おうとしていました。
しかも、その婚約者によって、珠恵はひどい仕打ちを受けてしまう。
──もし、あのとき俺が、彼女を守れていたら。
珠恵の傷ついた姿を目の当たりにした森川は、自分の無力さに打ちひしがれながらも、彼女を支えようと決意するのです。
3. 互いに支え合い、”生き直す”二人の関係
珠恵と風太は、境遇こそ違えど、どこか似た者同士でした。
どちらも、自分の人生を他人に支配され、思うように生きられなかった。
しかし、二人が出会い、お互いの存在を知ったことで、少しずつ変わり始めます。
珠恵は風太を通じて、「自分の気持ちを大切にしてもいいのかもしれない」と思うようになり、
風太は珠恵を通じて、「誰かに必要とされることの温かさ」を知ります。
そして、傷ついた珠恵を前に、風太は決意します。
「彼女がもう、誰かに支配されないように」
「自分の力で、大切な人を守れるように」
これは、恋愛を超えた”生き直し”の物語でもあるのです。
4. コマkomaの美しい作画
雨の日のしっとりとした空気感、図書館の静謐な雰囲気、キャラクターたちの繊細な表情──。
コマkomaさんならではの柔らかくも力強い作画が、物語の世界をより鮮やかに描き出しています。
外伝の魅力──『雨の日と月曜日』その後の物語
本編の衝撃的な展開と感動の結末のあと、読者たちが待ち望んでいた”その後”が描かれたのが、この外伝エピソードです。
1. 外伝のあらすじ
外伝では、本編では描き切れなかった珠恵と風太のその後の生活が丁寧に描かれています。
特に、本編では互いに惹かれ合いながらも、心に傷を抱えた二人が”恋愛”として結ばれるまでには多くの葛藤がありました。
外伝では、そんな二人の関係がどのように変化し、どんな未来を築こうとしているのかが語られます。
・珠恵は、父の支配から完全に解放されたものの、長年の抑圧の影響で「本当に自分の気持ちを優先していいのか」と悩む姿が描かれる。
・森川は、高校受験を終え、新たな道を歩み始めるが、珠恵との未来を真剣に考える中で、「自分は彼女を幸せにできるのか」と苦悩する。
・二人の関係が少しずつ変化し、”恋人”として進んでいくまでの甘くも切ないエピソード。
・新たな登場人物が加わり、珠恵と風太の成長を後押しする存在に。
外伝は、単なる後日談ではなく、二人が「本当の意味で自分の人生を選び取る」物語。
本編で描かれたテーマ──“生き直す”ことの意味を、さらに深く掘り下げた内容になっています。
2. 外伝の見どころ
💡 珠恵の変化と成長
父の影響から解放された珠恵は、自由になった反面、「自分で決めること」の難しさに直面します。
風太への想いが本物であると確信しながらも、家族への後ろめたさに揺れる珠恵の心情が繊細に描かれています。
💡 風太の覚悟
風太は、珠恵との穏やかで幸せな日常。それと同時に過去の記憶が風太を不安にさせます。
風太は自分自身を受け入れ、珠恵と共に生きることを決意するまでの心の変化が描かれています。
💡 二人の穏やかで温かい時間
本編では苦しい展開が多かったぶん、外伝では二人の穏やかで幸せな日常がたくさん描かれます。
登場人物も増えて、ドタバタして賑やかなシーンが笑えます。
それでいてストーリーに芯はきちんと通っていて、外伝めっちゃいいです。
コマkomaさんも、外伝を描くにあたって、こんなこと言ってます!
コマkoma先生:本編ではシリアスで辛い展開で読者の興味を引きつけて、中盤からジェットコースターのように盛り上げて一気に完結させるというスピード感を優先させたので、入れ込むのを断念した原作の素敵なシーンがたくさんあって……。その結果、珠恵と風太のイチャイチャするシーンが入れられなかったんですね。泣く泣くカットした要素だったので、これから連載する外伝ではとにかくイチャイチャしてます!! もう、もう、もう、あほかーっていうくらい(笑)。担当編集さんと一緒に構成を考えたときに、「こんなにイチャイチャして大丈夫か?」ってふたりで危惧したくらいです。
本編を読んだら必須で外伝も読むことを強くオススメします!
珠恵と風太がどのように”未来”を選んでいくのか──
外伝を読めば、きっと彼らの物語がより深く心に残るはずです。
3. 外伝はどこで読める?
現在、外伝エピソードはLINEマンガで配信されていて、本編から外伝まで全部読めます。
他には、コミックシーモア、めちゃコミ、e-book、などなど。
「雨の日と月曜日」電子書籍1巻までしか出ておらず、1巻では完結しませんのでご注意を。
「タテヨミ」「完結」と書いてある方を購入してください。
原作者きみねさんって何者?
原作者・きみねさんとは?
『雨の日と月曜日』の原作者は、きみねさん。
繊細な心理描写と、リアリティのあるストーリー展開で、多くの読者の心を掴んできた小説家です。
『雨の日と月曜日』もその例にもれず、
支配的な家庭で育った珠恵の心理描写
過去に傷を抱えながらも前を向こうとする風太の葛藤
二人が寄り添いながらも、簡単には結ばれないリアルな関係性などが繊細に描かれています。
2. 『雨の日と月曜日』が「幻の名作」と呼ばれる理由
『雨の日と月曜日』はWEB小説として発表され、多くの読者から絶大な支持を受けました。
しかし、物語が完結しないまま公開終了となってしまい、長い間”未完の名作”として語り継がれていました。
それが、コマkomaさんの作画によって**『雨の日と月曜日』として漫画化&完結**したことで、再び注目を集めることになったのです。
3. きみねさんの他の作品は?
現在のところ、きみねさんの他の代表作についての情報は多くありません。
しかし、『雨夜の月』と言う創作小説サイトにこの小説の他に「Februusの月」「星の子供の見し夢は」と言う作品もアップされています。
現在は、サイトの更新されていないようです。
少しナイーブなサイト(18歳未満閲覧禁止)なのでリンクは貼りません。サイト内の「GUIDE」をご覧いただき、理解のある方のみ閲覧をされてください。
ぜひ新作の発表を期待したい作家さんです!
作画はコマKomaさん
この方の絵が、とーっても大好きです。とくに男性を描かせたら、めちゃくちゃかっこよくセクシーに描いてくれて、サイコーです。
ちなみにDMMブックスにて「金の糸と黒の糸」の表紙絵のコマkomaさんの紹介文として以下のとおりです。
「軍人婿さんと大根嫁さん」の作者さんですね。
どこで読める?
現在、外伝エピソードはLINEマンガで配信されていて、本編から外伝まで全部読めます。
他には、コミックシーモア、めちゃコミ、e-book、などなど。
「雨の日と月曜日」電子書籍1巻までしか出ておらず、1巻では完結しませんのでご注意を。
「タテヨミ」「完結」と書いてある電子書籍の方を購入してください。
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