今回ご紹介するのは、感情がジェットコースターのように揺さぶられる神巻と言える第2巻です。
名言もありすぎて3つに絞るのは、かなり難しかったぁ~。
ネタバレがありますので、ご了承の上、お読みください。
ざっくりあらすじ紹介
任地に戻った誉さんと花ちゃんは、離れていても手紙で思いを通わせ、ゆっくりと愛を育んでいます。
新しい任地での誉さんは、厳しくも頼れる軍人としての顔をのぞかせます。一方、花ちゃんは「軍人の妻であること」の現実を、ほんの少しずつ理解しはじめていました。
そんな中で明かされるのは、誉さんの過去。戦地での苦い記憶、そして親との確執──胸が締めつけられるようなエピソードが描かれます。
けれど、物語の後半では一転。久しぶりに村へ帰った誉さんとの再会は、やさしくて、あたたかくて、思わず笑顔になるようなひとときに。そして、ついに迎えるふたりの初夜は……案の定ドタバタの大騒ぎ!
短い滞在のあと、再び任地へと戻っていく誉さん。切なさと愛しさを残しながらも、ふたりの絆が確かに深まったことを感じさせる、心揺さぶられる一冊です。
名言1 「俺も おまえが無二の友だったから」
8月25日、誉さんは村へ帰省中。汽車の中でふと、亡き親友・山本君を思い出します。
山本君は、誉さんと共に船で出征した戦友。
しかし、その後の戦闘で彼は誉さんの目の前で命を落とし、部隊は壊滅。
帰還した誉さんには、家族の冷たい態度と、婿養子の話が待っていました。
どこにも心の居場所がないまま、流されるように「田中家の婿」となったのです。
汽車の揺れの中、誉さんは鞄から一冊の本を取り出します。
それは、山本君が船の上で渡してくれた、ヘッセの詩集。
開いたページの詩「何処かへ」に添えて書かれていたのは――
「無二の友 立花へ」
その文字を見つめながら、誉さんの胸にこみあげる想い。
「俺も おまえが無二の友だったから」
第17話 友達の話より
やがて本を閉じ、誉さんは静かに涙をこぼします。
汽車の中で、人知れず。
この場面、本当に苦しかった。
戦争の記憶、家族の冷たさ、選べなかった人生――
誉さんの「影の理由」がここで静かに語られるのです。
読んでいて、私は涙が止まりませんでした。
あまりにもつらくて。でも、だからこそ。
誉さんの笑顔が、切なくてたまらないんですよね。
📣 読者の声より
- 「無二の友」の文字を見つめる誉さんに心打たれました
- ヘッセの詩が沁みて泣きました。汽車の中の静かな涙が忘れられません
名言2 「ふいに胸がつかえて 早く家に帰りたくて 走り出したくなった」
初めて迎えるふたりの夜。
どたばた初夜を終えて、花さんがふと目を覚まします。→ドキドキの初夜については後述!!
横で静かにまどろみ、花ちゃんを見つめている誉さん。
花さんは少し照れながら、でも気になっていたことを聞きます。
「許嫁って、どんな人でしたか?」
誉さんは少し戸惑いつつ、親に決められた許嫁のことや
家督を弟に譲ったことや、家族と疎遠になっていたことを淡々と話します。
それを聞いた花さんは、少し黙ってからこう尋ねます。
「…今はどうですか?」
その言葉に、誉さんは村へ帰ってきたときのことを思い出します。
汽車を降りて、駅を出てからの道すがら。
大きな木、吊り橋、渓流の大きな岩、風の匂い、田んぼのあぜ道。
そして田中家の屋根が見えたそのとき――
「ふいに胸がつかえて 早く家に帰りたくて 走り出したくなった」
第19話 花ちゃんが小さい頃から考えていた話より
そう話したあと、誉さんは優しく花ちゃんの髪の毛を撫でながらこう言います。
「今は 帰ってくるのが とてもたのしいです。」
ここ、もう本当に…胸がギュッと締めつけられました!!
ずっと家族に居場所を感じられなかった誉さんが、「帰りたい」って思えた家があったんですよ。
それが花さんと過ごす、この田中家だったんです。
しかもそれを、あの淡々とした誉さんが語るもんだから、余計に…グッとくるんですよね。
「よかったねぇ、誉さん…」
静かで優しいのに、心にズシンとくる。そんな、あったかくてちょっと切ない名シーンです。
📣 読者の声より
- 最後の下りで泣いた……帰るところになってる……良かったね……
- 最後のコマが本当に尊くて…幸せな気持ちでいっぱいになりました。ありがとうございます…
名言3 「・・・貴女を 鞄に入れて連れていきたい」
田中家での滞在も、とうとう最後の日。
誉さんと花ちゃんは朝からナスの収穫、川でのゴリ(山魚)獲りと、村の夏をめいっぱい楽しみます。
午後には突然の雨。びしょ濡れになりながら帰ってくるふたり。
着替えの時間。
花さんが仕立てた浴衣を誉さんに着せると、サイズはぴったり。
その後、花ちゃんのお願いで耳かきをしてもらうことに。
誉さんは膝枕でまどろみ、ほんの少し眠ってしまいます。
目を覚ました誉さんは、静かに告げます。
「今日の夕方、任地に戻ります」
雨は止まぬまま、夕餉を終えたふたりは駅へ向かいます。
けれど、雨脚が強まる中で「ここまででいい」と、誉さんに言われてしまいます。
そこで、ふたりの別れの時間がきます――
その時、花ちゃんの胸に押し寄せたのは「軍人の妻」であることの重み。
この人はもう帰ってこないかもしれない。
そんな思いを、笑顔で必死に押し殺そうとする花さん。
でも、別れたあと、ひとりになって――
「泣くな、軍人さんの嫁じゃろうが」と自分に言い聞かせても、
どうしても涙があふれて止まりません。
そんなとき、後ろから温もりが。
「…貴女を 鞄に入れて連れていきたい」
第20話 雨の夜に約束する話より
ふいに抱きしめられた花ちゃんは、
誉さんも同じように、別れを辛く感じていたのだと知ります。
そして思います。
ああ、自分はこの人のことが、どうしようもなく好きなんだ――と。
コレ泣く~っ!
お互いに平気なふりしてたのに、
本当は別れがつらくてたまらなかったっていうのが、
一気にあふれ出す瞬間。
戦争とか距離とか、全部ふっ飛ばして、
“離れたくない”って気持ちが、ぎゅっと詰まった名言です。
尊すぎて、息止まった…!
📣読者の反応(抜粋)
- 寂しくて愛しくてしようがないんだろうな… 自分が愛しい人の傍にいられる幸せを噛み締めたお話。
- これは泣く……素敵すぎるふたり。誉さん絶対に帰ってきて!
🍑おまけまんが:ようかい、初夜を見守る――!?
さてさて…読者の皆さま、お待たせしました。
2巻最大のイベントと言っても過言ではない、そう――誉さんと花ちゃんの初夜シーンですっ!!
なんとこの初夜、まるまる12ページも使って描かれているんです。
初めてどうしの、ドッタバタな夜…もう笑うしかない(笑)。
でも、笑ってるのは読者だけじゃない。
なんとおまけ漫画では“ようかいさん”がこの夜を見守っているというメタ視点付き!
シュールなのにめっちゃ面白い…!
で、このようかいさん、ただの観察係じゃありません。
持ってるのは、「閨(ねや)の潜在能力が丸見えになっちゃう眼鏡」という怪しすぎるアイテム。
その眼鏡で誉さんを見ると――
潜在能力:2万オーバー
経験値:2(!?)
いやいや、バケモノか。ってツッコミたくなりますが、
なんと花ちゃんも互角の実力者だったというオチ!✨
結果、くんずほぐれつ、盛り上がりすぎてようかいも引くレベル(笑)
もう、おまけ漫画なのに本編級のインパクトでした!
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